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2012/05/21

The Solar Eclipse 2012


   思いのほか好天に恵まれた岐阜市内某所の朝。

   遮光レンズのゆらぎの中、午前7時31分「太陽のリング」は見事に繋る…。 
 

   今回の日食は、見掛け上の太陽の大きさより、月の大きさの方が小さい為、太陽が完全に隠される、いわゆる『皆既日食』では無く、リング状に太陽の輪郭が残る、『金環日食』である。

   日食としては、『皆既日食』の方が気象条件など、劇的に変化するので、よりドラマティックで見応えがあるのだが、『金環日食』はそのリングが殊更に強調される。
   言うまでもなく、これは月が楕円軌道を描く為に生じる違いであり、「時」と「場合」によって異なる。

   実は、月は1年間に4センチづつ地球から遠ざかっていると言われている。と言うことは、今から5万年後は『皆既日食』は観測できないかもしれないし、或いは5万年前には『金環日食』は見えなかったかもしれない。
   つまり、私達はその両方が観測できる、極めて稀有な時代に生きていることを感謝しなければならないのである。


   そんな悠久の時の流れに想いを馳せていると、繋がれたリングは程なく解放された。こうして食の最大時には、いつもより柔かな陽光が降り注ぐ、穏やかな朝となった。 


そして次の関心事は、8月14日の「金星食」へと移ってゆく。


2012/03/01

日本代表観戦記2012



   2月29日、サッカーW杯アジア3次予選最終戦(第6節)が豊田スタジアムで開催された。年に1度行けるかどうかの代表戦、楽しみに出かけたのだが。



   個々のレベルは、ウズベキスタン代表のそれを凌駕していたのだが、それだけでは勝てなかった。今日はゴール前での精度や威圧感が無い。改めて代表戦のフィジカルやモティベーション維持の難しさを痛感する。

   以前の代表戦であれば、4日目(2/24vsアイスランド代表戦@長居スタジアム)のゲーム(フレンドリーマッチ)である程度連携を確認し、修正してこのゲーム(公式予選)に臨むのだが、ユーロ登録選手を両方のゲームに召集することが困難である為、実際的にはゲームを重ねて連携を高め、フィジカルを上げていくことができなくなっている。ユーロ組は一発勝負なのである。結果、それぞれが関連性のない個別のゲームになってしまった。
   私たちはこの2試合で、全く異なる日本代表チームのゲームを見たことになる。


   6月からの最終予選には、またまた危機感を持って戦う必要がある。U-23がそうであったように。
   この連敗で、幾分、W杯南アフリカ大会前の様相を呈してきたので、最終的には良い結果をもたらすのでは、と信じたい。


   最近にない悪い内容のゲームで、ストレスが溜まる一方であったが、今回、豊田スタジアムまでは、「臨時駐車場・パーク&バスライド」を利用して車で行くことにした。前回の電車利用に較べ、混雑や待ち時間、歩く距離など、これに関してはストレスなく行って帰ってくることができた。上手く整備されたインフラという印象だった。


2012/02/23

ロンドンからの風



   2月22日のU-23マレーシア代表との1戦で、日本代表は初めて自分たちの意図するサッカーを完遂することができたと思う。
   最終予選ホーム緒戦のマレーシア戦(2-0)も、先日のアウェイでのシリア戦(1-2)も、決して全力を出し切れなかったわけではないが、結局は昨夜のゲームのように追い込まれた状態にならないと本気の闘争心が発揮できない。
   逆を言えば、不定期に招集され、慣れない環境で戦うことが宿命の代表チームを統率し、最高のパフォーマンスを持続することが、如何に難しいかを物語っていると言える。

   「4-0」の結果を枕元に置き、朝目覚めて「バーレーン2-1シリア」のリザルトに歓喜する。選択肢としては当然あり得るのだが、どこかのメディアに煽られすぎて忘れかけていた展開である。ホームのバーレーンはまだ死んでいなかったと言うことだ。充分グループ2位(プレイオフに進出できる)を狙える位置に付けた。

   このバーレーンと最終戦(3月14日:国立)を戦うことになる日本代表、しっかりと準備して、このゲームは何をしなければいけないのか、何をしてはいけないのか、冷静な判断で迎え撃ってほしい。

   最終戦は、同時キックオフ、国立での試合開始が19:20(予定)と言うことは、シリアホームは12:20のキックオフとなる。少しでもアドバンテージ(追い風)となればいいが…。※但し、それとは別にシリアの政治情勢は同情せざるを得ない。

   今、ロンドンからの風を、少しだけ感じた。


2011/12/18

師走のサッカー事情


  




   12月に入ってもサッカーを取り巻く環境は常に変化し、話題に事欠かない。

【Topic.1】
   クラブW杯は、柏レイソルが戦前の予想以上に準決勝まで駒を進めた。南米王者のサントスFCには苦杯を喫するが、12月18日の3位決定戦では有終の美を飾っていただきたい。
   個人的には名古屋グランパスが「豊田スタジアム」で活躍する姿を期待していたのだが、Jリーグを制したリーグ戦後半の勢いをそのまま維持し続けた柏レイソルにして、この結果なのかもしれない。
   そして、決勝戦FCバルセロナvsサントスFCは見逃すことができない。ネイマール#11のドリブルや、バルサのパス回しは、既にサッカー競技を超越し、高度に鍛練された優美なショーのようでさえあり、感嘆するより、もはや笑ってしまう。
   また、彼らのこの大会での勝利への執念は、小さな島国に住む我々の想像を遥かに超えているようだ。言うまでもないが、日本のクラブチームがこの領域に辿り着くまでには、越えなければならない壁はまだまだいくつも残っている。

【Topic.2】
   天皇杯は4回戦に突入し、一番の話題は「松本山雅FC(長野)」の大躍進である。今夏に急逝した故松田直樹氏を引き合いに出すまでもなく、12月17日の対横浜F・マリノス(J1)戦には注目が集まる。
   ほんの10日程前ならば、純粋に松本山雅ガンバレ!、リュージもガチャもいることだし、で済んでいたのだが、FC岐阜と同じJ2に昇格を決めた後なので見方が少し微妙になってきた…。このクラブが来季公式戦で対戦する相手なのだと。
   尚、このゲームの山雅はグッドルーザーを演じたようである。

【Topic.3】
   そして、J2がとうとうフル登録の22クラブとなった(前述の「松本山雅FC(JFL4位)」と「FC町田ゼルビア(JFL3位)」のJ2入会が12月12日に正式承認された)結果、来シーズンからJ2とJFLの入れ替えが行われることになる。
   最新の情報では入れ替え対象は2クラブづつで、JFL2位とJ2の21位は入れ替え戦を行い、JFL1位とJ2の22位は自動入れ替えとする方式が濃厚らしい。もちろんJFLから昇格できるのはJリーグ準加盟のクラブに限られるので、今のところ残りの準加盟クラブは順不同で「V・ファーレン長崎」、「S.C.相模原」、「カマタマーレ讃岐」の3クラブである。
   仮に今シーズンのJFLの順位で想定すると、既に昇格した2クラブを除けば「V・ファーレン長崎」が3位換算、「カマタマーレ讃岐」は9位換算となる。このケースであれば入れ替えは発生しないことになる。「S.C.相模原」はJFLより下位の地域リーグに属しているので数年待たなければならない。
   そもそも、こんなことを心配しなければならないのが今のFC岐阜…。来年1月には入れ替え制度のレギュレーションが正式にアナウンスさせる模様である。

【Topic.4】
   最後は、そのFC岐阜についてであるが、5選手の契約満了と、押谷祐樹のジュビロ磐田復帰、以降の動向がまだ何もない!新監督の発表もまだない!去年と同じ轍だけは踏まないでいただきたと切に願う。
   唯一の明るいらしき?ニュースは、来年度、笠松町に整備される事が決まった「フットボールセンター」、JFAが各都道府県に整備を進めている人工芝のサッカー専用施設である。今シーズンのFC岐阜のスポンサーに「ハイブリッドターフ」が加わったあたりからその伏線があった気もするが、公共の施設とは言え、平日であればFC岐阜がある程度、優先的に使用できれば有難い。最近の人工芝はかなり天然芝の感覚に近いようである。
   クラブハウスもできるので、是非、何らかの形で「FC岐阜」専用の施設を間借り出来れば、中心的な練習拠点になると同時に、新たな情報発信基地になるのではと期待したい。
   ただ、来年4月度の着工となると、完成は早くてもシーズン後半となるだろう、それまでは今年の練習環境で凌がなければならない。
   いずれにしても良いきっかけになることは間違えないだろう。FC岐阜の巻き返しを期待しながら師走が過ぎて行く。


2011/11/11

吉報は夜に届く



   「1」が6つ並ぶこの日、2つの吉報が届けられた。

   1つ目はFC岐阜にJリーグ特別指定選手として参加していた地主園秀美#35が正式に加入が決定した。来季はもっと若い番号のユニフォームを着ることになるだろう。今シーズン調子の上がらないFC岐阜にとって、数少ない良いニュースの1つとなる。

   そして2つ目の吉報は夜遅くに届けられた。

   日本代表の対タジキスタン戦は、難しいアウェイでの戦いではあったが、岡崎#9の2ゴールを含む4-0で順当に勝利を掴んだ。今日もザックの満足そうな勝利インタヴューを聞くことができた。

   さらに、その後の「ウズベキスタン対北朝鮮」をネット観戦、後半4分のティムル・カパーゼ#18のヘディングシュートで先制したホームのウズベキスタンは、チョン・テセ#9らの猛攻を凌ぎ1-0で逃げ切った。ネットに映し出された勝利後のウズベキスタンイレブン、なんとスタンドに向かって万歳四唱!!で喜びを表現していた。そう云えば、最近は生で見てないね…

   いずれにしてもこの瞬間、日本代表は2試合を残して2014ブラジルW杯アジア最終予選への進出が決定した!!


2011/09/03

アディショナルタイム「5分」



   W杯2014アジア3次予選の緒戦、日本代表はアディショナルタイム内での吉田麻也#20の豪快なヘディングシュートで辛くも勝ち点3を手にした。

   いつも言われる緒戦の難しいゲーム運びの中で、格下相手に攻めて攻めてのドローのパターンが危惧されたが、このゲームはなぜが終了間際に得点が入りそうな予感があった。それほどにオフェンスが機能してみえた。
   そして告げられた、アディショナルタイム「5分」、これだけあれば必ず行ける…。

   北朝鮮の誤算は、終了間際までなんとか無失点で凌げたので、勝ち点1に手が届きそうな所まできたにも関わらず、アディショナルタイム「5分」が予想以上に長かったこと。
   通常ならせいぜい「3分」あたりが妥当だが、北朝鮮代表は必要以上に時間を使いすぎた。
   結果だけ見れば90分+4分で決まった吉田麻也のゴールはまさに紙一重に思える。

   これを単純に、無敗のザックJAPANは運も味方していると簡単には言えないが、それでも何か特別なモノを感じさせてくれる。

   さあ、これからはこの勢いに乗って、3次予選は早い段階で通過を決めてしまおう。次は慎重にアウェイのウズベキスタン戦に臨んでほしい。

   これからも我らの「ジョカトーレ」に期待しよう!


2011/08/10

日韓戦2011



   対韓国戦に勝利した。3-0のスコアが示す通り韓国代表を圧倒しての勝利である。我らがジョカトーレは綿密なパスサッカーと、ゴール際での個人技で日本戦には“通常の3倍”の力で挑んでくる「レッドデヴィル」を完全に沈黙させた。

   ヨーロッパでの経験は、その過酷な環境な故に、短期間でもイレヴンに技術力・精神力・そして勝利への執念をもたらしたと言える。

   香川真司#10が実践した様に、自分の目に前にあるチャンスを確実に決めるか否か、それが今日のゲームの主題となるのだろう。

   来るべきW杯アジア3次予選を前にして、逆に怖いくらいのナイスゲームを披露してくれた。勿論本番でも気を抜くことが無き様に。

   この勝利が、札幌ドームの屋根の上、さらにその上の空から見守る松田直樹選手#3にも届いたことを祈ろう。

   今夜も飲まずにはいられない。
   今宵の「一番搾り」はいつもより少しほろ苦かった。。。



2011/07/18

「MIRACLE NADESHIKO」



   おめでとう「なでしこJAPAN」。強い夢は必ず叶う。

   今後、日本代表女子チームの着るユニフォームのエンブレムには、この偉業を祝して、ピンクの星が冠されることだろう。

   これから更なるステップ、新たなステージでの活躍を期待したい。

   今の日本を元気にしてくれる感動をありがとう「なでしこJAPAN」。


2011/06/28

「世界標準」


 

   このところ、世界で活躍する各カテゴリーでの日本代表の話題に事欠かない。

   先週には、苦戦しながらもU-22オリンピック代表が最終予選進出を決めた。今回、余裕で突破できなかったことで、逆に危機感を持って最終予選に臨んでほしい。7月7日のドローでどこのポッドに入るかに目が離せない。
   中東勢複数と同組になるのは必至なので、6月23日アウェイでのクウェート戦はそのシュミレーションとして、実は重要なゲームであったことを忘れてはいけない。

   更にメキシコで開催中のU-17W杯でも、代表チームが予選グループを1位通過で決勝トーナメントに駒を進めている。某BSで3試合の模様をチェックすることが出来たが、フル代表のFIFAランキングを土返しにしたハツラツとしたプレイが新鮮だった。
   もちろんまだまだ粗削りの部分は多いが、この大会でクレジットされた名前がロシア大会あたりの、「本チャン」のW杯でも見られることを期待しよう。

   そしてドイツでは女子W杯が開幕し、なでしこジャパンは6月27日の対ニュージーランド戦で最初の勝ち点3を手にした。押された場面があったが落ち着いて緒戦を飾った。
   なんせ女子はFIFAランキング世界第4位なのだから!
   このなでしこジャパンも、お馴染みの選手から若手の代表まで、メダルを目指していいスタートが切れている。ドイツでのW杯と聞くとあまりいい思い出はないが、この大会で払拭していただけたらと思う。

   最後に我らがFC岐阜について、…
…と、ここで来客あり。

お陰でネガティヴなコメントを残さずに済みましたとさ。


「ガンバレ!若きニッポン」
   そして
「ギザガンバロウ!我らがFC岐阜」


2011/06/23

GO FOR 2012



   5月19日、FC岐阜が長良川競技場でコンサドーレ札幌に惨敗した同じ頃、豊田スタジアムでは若き日本代表が、ロンドン五輪2012の出場をかけて戦っていた。

   失意のうちに競技場を後にして、帰宅後は日本代表応援モードに切り替える。ユニフォームを「緑」から「青」へ。

   両方の試合時間が微妙に重なるので、代表戦の途中経過は入れず、録画中の「BS1」を頭から追っかけ再生する。いわゆる「時間差ライヴ」である。

   時差のある海外での代表戦などはよくこの方法で観戦する。世の中に結果は出ているのだが、それをシャットアウトして帰宅後、「ひとりライヴ中継」でゲームに集中する的な…。

   永井謙佑#11(名古屋)を温存しての3-1はまずまずか、言われているように1失点が惜しまれるところ。次はアウェイ、しかも中東、まずは先制点を取られないよう注意してゲームに臨んでほしい。
(このフレーズはどこのチームにも通用する。)

   この日、岐阜が1-3で負けて、U-22代表が3-1の逆スコアで勝った。しかし当然のごとく、気持ちはプラス・マイナス0にはならなかった。


「ガンバレ!若きニッポン」
   そして
「もっと、もっとガンバロウ!我らがFC岐阜」


2011/04/20

「上を向いて歩こう」


   4月18日、東京に出張する。3.11以降では初めて関東圏を訪れることとなる。余震活動が終息しない中、新幹線の遅れや運転見合せを気にしなければならないなど多少の不安は拭えない。花見などの自粛ムードや、一時期の計画停電による経済活動の停滞で「華の都、大東京」が元気がないなどと殊更に報道されている。実際のところどうなんだろうと、富士山を横目で眺めながら首都圏に入る。
 

   今では都市伝説になった「曲がった東京タワーの先端」、新幹線から注視してもよくわからない。言われてみれば曲がっているのかな…。そして東京駅構内は、照明やエスカレーターは輪番体制で節電中ではあるが震災後というバイアスを掛けたとしても、そこには普段通りの慌ただしい日常が繰り広げられていた。

   少し時間が空いたので、お約束である「お茶の水の日本サッカーミュージアム」に足を運ぼうと思い立つが、今日は月曜日で休館。(その前に震災の影響で現在閉館中!、4月23日から再開の予定)
   それならばと、浅草方面へ移動。先ごろ「634m」に到達した「東京スカイツリー」を間近で見ることにした。
 

   東京メトロ「浅草駅」を吾妻橋あづまばし方面出口から地上に顔を出すと、漫然とそれ・・は現れた。景観にマッチしているかどうかは意見の分かれる所であるが圧倒的な存在感であることは間違えない。「技術立国」日本の底力を見た気がする。
 



 そして月曜日の昼下がり、ここ浅草や墨田公園を訪れる人々は一様に「上」を見上げる。それは決して「泪がこぼれないように」だけではなく「幸せを空の上に」見つけようとしているのだろうと思う。


   YouTubeにupした映像には穏やかにハトが横切る。
 

   いつまでも塞ぎ込むことなく、あるタイミングからはなるべく普段通りに戻そう。滞りなく仕事を終えて別段のトラブルもなく「N700」経由で雨の岐阜に戻ってきた。

2011/04/01

PROJECT NAGAI vol.3

   3月29日午後6時を過ぎて、辺りが十分暗くなってから、いつもより少し遅めにようやく照明に火が入った。

立錐の余地もないスタジアムに両チームのイレブンがウォーミングアップに登場。必然的のプラクティスジャージーも同一のアディダス製。

   Jリーグ選抜ゴール裏は多彩なカラーのユニフォームが犇めく。

   そして、選手紹介。選出された選手が次々とオーロラヴィジョンに映し出される。



   午後7時15分、日の丸のもと選手入場。

   国歌・黙祷・チームキャプテンの挨拶、そして歴史的一戦のキックオフを告げる笛が鳴る。

   これ以降、ゲーム中の写真は一切無い。感じた全てを自分の目に焼きつけることにした。

   遠藤#7のフリーキックも、岡崎#9のループシュートも目の当たりにした。
ハーフタイムでのウェーブも自嘲気味に参加した。
両ゴール裏からの「ピクシー!オーレ!」に手を挙げて答えるピクシー。
何もかも夢のような時間の中で過ぎた。

   そして後半37分が訪れる。
カズ#11のゴールにスタジアム全体が、おそらく日本全体が一つになった。またしても、サッカーがひとつのスポーツ競技を超越し、人々の心に響く崇高な慈善のイベントに昇叙した瞬間である。求められたゴールを決める事が一番難しいと言う、カズ(永遠の#11)はやはりキングカズであった。

結局、今日の3ゴールは全てJリーグ選抜サイドに納まり、それを間近で観れたことは僥倖である。

しかし、その後に我々の目前で繰り広げられたはずの「渾身のカズダンス!」は客席全体が飛び跳ねていたので、生で目撃する事が出来なかった。今日唯一の誤算である。

こうして、公式記録には残らない歴史的なゲームは感動のうちにタイムアップとなった。

   リザルトは以下の通り。

   これで「PROJECT NAGAI」の最後のミッションである、ゲームを心から堪能することは見事に完遂した。 そしてまた、カズがゲーム後のインタヴューで答えたように、これは始まりであり継続して支援活動を行わなければならないと思う。数か月、数年のスパンで事あるごとに支援が必要である。

   今回の震災による試練は、たまたま自分の地域で発生したかっただけのことで、いつ当事者になってもおかしくない。その事を肝に銘じ、決して驕ることなく、決して気負うこともなく、日々慎ましく誠実に生きようと思う。

   3月29日はサッカーファミリーの一員で良かったと強烈に印象付けられた忘れられない一日となった。

   がんばろうニッポン!みんなのチカラがひとつになって。


                                  「PROJECT NAGAI」 《完》

2011/03/29

PROJECT NAGAI vol.2

   3月29日早朝、肌寒いが穏やかな天候に恵まれた。岐阜も、それから大阪の地も。「PROJECT NAGAI」いよいよ当日となった。

「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!」参戦の為、大阪長居スタジアムに向かう。正午には現地到着の予定で午前8時前に岐阜を出発した。


   普通の「日常」を通過して予定通りに長居スタジアムに到着した。そこは既に、この一大イベントの準備が粛々と進められていた。

   近接する「キンチョウスタジアム」でもパブリックヴューイングが行われる、既に行列ができていた。

   最初のミッションは義援金となる「日本代表 復興支援レプリカジャージー」を購入し、チャリティーに寄与。1時間余の行列に並んでようやくにも手に入れた。その後、スタジアム周辺を散策する。それぞれの思いで集結した「日本代表」のサポーター、「Jリーグ選抜」のサポーターが手書きのメッセージボードなどの作成に余念がない。それは紛れもなく、共通して『ニッポン』のサポーターの姿であった。

   午後4時20分の入場時間(多少は前倒しになるだろう)までサブグランドの奥まで伸びた列で待つ。隣に並んだ滋賀県から駆け付けたサポーターに聞くと、こんな時期に自分たちだけこんな素晴らしいゲームを観戦していていいのだろうか。でも観たい気持ちは抑えきれなかった、と。同感である。

   臨戦態勢を整えていざスタジアムへ向かう。

   長居スタジアム南側ゴール裏からの一望。

   悲しすぎる半旗が風に揺れていた。

   懐かしい名前がここにも届いている。

   若いチカラも集結してこのイベントを盛り上げてくれているのだろう。

   そしてサポーターが仰ぎ見る「世紀のチャリティーマッチ」は刻一刻とそのキックオフの時間が近づいている。

  

                                           つづく。

2011/03/25

PROJECT NAGAI vol.1


   3月29日「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!」日本代表vsJリーグ選抜(TEAM AS ONE)が大阪長居スタジアムで行われる。もともとこの日は国立での国際Aマッチ(vsニュージーランド代表)の予定であったが、今震災の影響(ニュージーランドも自国の地震発生より当初の来日が危ぶまれていた。)で急遽チャリティーマッチに差し替えられた。

   実は国立でのゲームはU-22日本代表の国際親善試合(vsU-22ウズベキスタン代表)もマッチアップされていたので、1日で2試合の代表戦が観られるオイシイ日程だったのだ。なんとか仕事の都合がつきそうだったのでチケットを取れないかと調べたが、とき既に遅く完売となっていた。

   そのリベンジという訳ではないが、このチャリティーマッチを観戦できないかと大阪長居スタジアムへの参戦計画すなわち「PROJECT NAGAI」を計画し始動させた。そしてまずは、3月23日午前10時発売開始のチケット購入にチャレンジ。
以下に時系列でその詳細をレポートする。

(9:52)
仕事の休憩時間を利用して、一番近いローソンへ向かう。「Loppi」での購入を狙っているがこの時点で先客があるようなら諦めなければならない。
(9:56)
ローソン到着。「Loppi」は空いていた。まずはLコードから入力し様子をみる。まだ発売開始前のメッセージ。
(9:58)
後ろに人が並んだ。やはり目的は同じチケット狙いとの事。
(9:59)
「Loppi」端末にLコードを入力し画面を進め、ひとつ前の画面で待機(実行待ち)。
(10:00)
CITIZENの電波時計で10時ジャストに実行操作。…発売開始前のメッセージ。再度実行…発売開始前のメッセージのまま。
とっさに、ひとつ前の画面に戻って再操作を行いチケット選択画面に入れた!
※この時点で約20秒のロスとなってしまった。

最初にカテゴリー1を選択、数秒の「通信中」の表示の後、「回線が混雑、しばらく待ってから…」のメッセージ。
再度実行、数秒の「通信中」の表示の後…、
 

(10:01)
僅か1分足らずで、カテゴリー1が完売。
すかさずカテゴリー2を選択し実行。永遠にも思える「通信中」の表示の後、カテゴリー2も完売のメッセージ!
(10:02)
諦めずにカテゴリー3の北側(日本代表サイド)を選択。しかし、同じ結果を突き付けられた。
ダメモトでカテゴリー3の南側(Jリーグ選抜サイド)を選択。…今までより長い「通信中」…。
(10:03)
そして遂に購入完了の表示!!

手に汗握る3分間の攻防はこうして完結した。
後ろに並んでいた人も、携帯電話で他の場所の仲間と連絡しつつ、他所で購入できたらしくそそくさとローソンを後にした。

こうして、サッカーファンならずとも注目するチャリティーマッチのプレミアム・プラチナ・プライスレスチケットは、今枕元に鎮座している。
 

   こんな時だからこそ、決して浮かれることなく、現時点での日本代表の最高峰のパフォーマンスをこの目に焼きつけておこうと思う。その最高のプレイが少しでも多くの人々の心を元気にしてくれればと祈りながら。
   そしてまた、JFAジェイファとJリーグによる日本のサッカー界の、今震災に対する復興支援活動を肌で体感し、自分の立ち位置を確認しながら、微力ながら協力をしようと考える。そしてもちろんサッカーを楽しむことを忘れてはならない。

みんなのチカラがひとつになって、がんばろう日本!

 つづく。