2012/03/25

『はやぶさ』~遥かなる帰還~


はやぶさ 最後の送信画像

   小惑星探査機「はやぶさ」をテーマにした映画は、短期間の内に3本が別々の映画会社によって製作された。その中で筆者が選んだ1本が本作品。

   一番史実に忠実で、大人でも楽しめる脚本であるとの前評判通りで、科学的な解説を分かりやすく取り入れている。むしろこのような作品は、人間模様を細かく描くより、淡々とドキュメンタリータッチで科学的事実を展開させると良いのか。(あまりマニアックにならず)

   下町の工場こうばをクローズアップしたり、NASAとの比較を皮肉を込めて描くところが、いかにも日本映画らしい。

   そんな中、渡辺謙はハリウッドスターなのだと、改めて実感させるくれる映画でもあった。

   そして、この映画の見所は、やはりラストシーン。
満身創痍で地球へ辿りついた「はやぶさ」。探査機本体は、カプセルを放出した後、慣性の法則に従ってその後を追ってゆく。
   やがて大気との摩擦で跡形もなく燃え尽きることにより、スペースデブリと化すことはない。これは最初からミッションに組み込まれたプロセスの一つに過ぎないのだが、地上から見ている私たちには「帰ったきた」事を懸命に知らせようと、幾重にも重なる光の矢となり、最期には光輝きく道しるべとなってカプセルの「帰還」を讃えているかのよう見える。
   ここには実際の映像が使われていた。

   「はやぶさ」のプロジェクトはまだ終わりではない。
はやぶさ2プロジェクトの最新版で続編をチェックしてもらいたい。


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