2014/02/01

『ラモス狂想曲』 ~新緑のラプソディ~


   新生FC岐阜も、いよいよ新年度2月を迎える。

   ラモス新監督を始めとする、川口能活#22ら日本代表クラスの加入による宣伝効果は絶大で、平日午前中の練習でさえも、数多くのオーディエンスが集まる。例年では有り得なかった賑わいとなっている。

   この状況になって初めて練習見学に来たという主婦の方は、いつもの散歩コースの途中に練習場があり、今までは気にも止めなかったが、テレビや新聞の報道でギフに有名なサッカー選手が来ているらしいとの事で、一目見ようと駆けつけようだ。

   そんな「FC岐阜デビュー」の人々も加わり、練習場のピッチサイドは活況を呈する。(つまりは騒がしい…)

   地元テレビ局のカメラクルーに、別府キャンプの取材についてに逆インタヴューすると、昨年までは旅費の予算計上が極めて困難だったが、今年は現地で存分に取材が出来るようになったらしく、目を輝かせながら話してくれた。

   こうして、当分は注目の的であることは間違いないのだが、ただひとつ危惧する事があるとすれば、見学者が増えたことにより練習に集中している選手にとって要らぬ雑音にならなければいいがと言うことである。

   もちろんファンサービスもプロのJリーガーとして重要な仕事ではあるが、マナーを逸したファンの行動や、無秩序に取り囲まれた状況下でのファンサービスなどで必要以上に不快な思いをさせないように心掛けてもらいた。自分自身も含めて肝に銘じて置きたいものである。

   そして、ギフは2月4日キャンプ地の別府実相寺へと向かう。そんな中、クラブスタッフの方々は少数精鋭の中、初めてのケースが多く、ご苦労は絶えないと思われるが、円滑なクラブ運営が行えるようご尽力頂きたい。

   我々もサポーターの一人として出来得ることはどんどん協力していこう。なぜならギフは特定の人達のものでなく、私たちみんなの『FC岐阜』なのだから。




2014/01/27

フィジカルコーチのメソッド


   メモリアル補助競技場での練習に参戦する。
   何やら、見たことのない様なトレーニングメニューが行われていた。

   一定間隔の電子音に反応して、約10mのディスタンスで反復移動を繰り返す。10秒休憩後、再び反復移動。そして電子音の間隔が徐々に短くなる。

   1チーム8人でスタートし次々に脱落していく中、最後の一人になるまで繰り返す。ここでも勝ち負けが決まるのである。

   他のクラブでは普通に行われているフィジカルトレーニングなのかもしれないが、今までギフの練習しか見てきていないので何とも新鮮である。何故なら練習場にポルトガル語の音声や音楽のCDが流されているのである。

   練習終盤のシュート練習では、実践宛らにゴールキーパーを立たせて行う。ここまでは良くあることだが、このトレーニングは11時までと決められた練習時間を過ぎても終わらない。

   時間に関係なく、最初に設定したゴール回数が達成できなければ何時になっても終わらないのである。この日も最後の1本が決まるまでゴールキーパーの好セーブが何度も続く。

   今シーズンFC岐阜に初めてクレジットされたフィジカルコーチはアルタイール氏、新生ギフの新しい風の一つである。

   ギフではあまり見たことのなかった練習風景のYouTube動画は、こちら。



   今日のベストショットは、選手を鼓舞するフィジカルコーチ。そのパフォーマンスは常に熱い!




2014/01/24

2部連始まる。


   今年のギフは練習への取り組みも一味違うようだ。
   練習2日目は、早くも2部連となる。

   岐阜県フットボールセンターでの練習は寒風吹きすさぶ中、天然芝ピッチ全面を使って行われる。

   トレーニングのテーマは二つ。 ボールを使って二人以上で行う練習メニューでは必ず勝ち負けを決める。日頃から「勝ち」に拘る意識を植え付けるようだ。
   それと同時に、ゴール前ではシュートは常に結果を追及する。 当たり前の事なのだろうが、そうではなかったが故に2013年の成績だったかもしれない。

   ベテラン、若手関係なく声を掛け合い、その声を上回る監督の指示が飛ぶ。まずは、ラモスイズムの浸透が肝要である。

   ゴールに拘った練習風景の1分間動画はこちら。



   今日のベストショットは、屈託のない両ベテランのクールダウンの様子。どうか、この笑顔がシーズンオフまで続きますように…。

(メモリアル補助競技場にて)

  


2014/01/21

『あるサッカークラブの辯明』 ~2014シーズン始動~


   2013年12月25日、FC岐阜の経営基盤を慢性的に圧迫し続け、その存続さえ危ぶまれた多額の負債に対して、地元の大手金融機関と岐阜県出身の個人支援者との調整によって、超過債務解消と返済に向けた道筋が示された。

   また、その事を条件に、クラブ再建と戦力補強の為の資金を安定的に支援する用意があることが、この日の地元財界支援団体との意見交換会で報告される。

   これを受けて会合に出席した従前の地元スポンサー企業は、今後も継続的な支援を行うことで最終調整が図られたと言う。

   これによりFC岐阜はクラブ創設以来、最大の危機のひとつを劇的に脱する見込みとなった。世に云う『クリスマスの合意』である。

   FC岐阜のクラブ史の中では、あの“口論義の奇跡”などと並び称される大きなターニングポイントのひとつとして、永く後世に語り継がれることだろう。

   その『クリスマスの合意』以後、既定路線となっていた新監督人事について、年が明けても中々正式契約のアナウンスがされなかった。ファン、サポーターがヤキモキする中、まずは新契約選手の発表が相次ぎ、そして1月17日クライマックスの川口獲得の発表後、程無くしてオフィシャルサイトにラモス瑠偉氏の名前が登場する。正式契約まで概ね1ヶ月を費やすことになったが、既存契約との日程調整など様々な利害関係があった中で、本契約に至るまでの手続きは極めて困難な作業であったことは想像に難くない。

   何はともあれ1月21日、ラモス監督を中心に、初めての全員集合である。

   あの川口能活#22が、ギフの練習着を纏う。

   三都主アレサンドロ#11、ニット帽にはまだ“g”のロゴがない。

   チアゴ#??、その潜在能力を是非ギフで開花させて貰いたい。ゴール量産に向け期待の一人である。

   今日合流したのだろうか、別メニューでランニングするのは話題のエニクである。恐らくはラモス枠で招聘したブラジリアンだろう。

   ラモス監督が初日から直接始動するのは2013を生き残って救世主となったスティッペである。

   みっちり2時間行われた練習の初日、いわゆる軽いランニングとストレッチだけで終わる訳もなく、宛ら紅白戦を思わせるゲーム形式での激しい練習に終始する。出遅れ気味の2014シーズンが急ピッチでスタートを切った。

   怒涛の練習、終了後のサポーターへのあいさつは、ラモス監督に促されて川口からの一言となる。

   久々の出待ち、今年の1回目はスティッペが笑顔をくれた。


   今シーズンは一気に5段飛ばしで階段を駆け登ったようなFC岐阜、練習環境やスタジアム周りのインフラ整備など不安材料はまだまだ残るが、それを上回る期待のなかでJ2リーグの台風の目として2014シーズンを駆け抜けて貰いたい。


2014/01/02

『ゼロ・グラビティ』 ~バーチャルEVAの恐怖!!~

 

   年末から新年に掛けての正月休みにお薦めの映画、今回紹介するのは『ゼロ・グラビティ』。

   「ハリー・ポッター」シリーズでもメガフォンを取った事のあるアルフォンソ・キュアロン監督の作品で、主演はサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの両アカデミー賞俳優の競演である。

   他に出演者は無く、地球を見下ろす衛星軌道上での迫真の演技を繰り広げる。実際にNASAのスペースシャトルで宇宙に翔んで撮影したのではないかと見紛(みまご)うばかりの迫力の3D映像で観客を釘付けにする。

   ストーリー展開は少し突飛で、やや強引な所はあるが、この映画の中で起こった事故の切っ掛けは実際に有り得る事だけに、物語にどんどん引き込まれていく。

   ただ、こんな事故が本当に起きてしまったら、通信技術にどっぷり依存している現代社会や、我々の日常生活は30年前に後退する位の大事(おおごと)であり背筋がゾッとする。

   映画の見所は二つ、ひとつは言うまでも無く、主演二人の迫真の演技力、特に二度目に登場した後のジョージ・クルーニーは秀逸である。

   もうひとつは宇宙から見た地球の描写、そのリアルさに目を見張る。今日では実際にISSなどからのハイヴィジョン映像で地球の姿を見る事が出来るようになってきているだけに本物の映像と見分けがつかない程である。

   この映画のテーマは極めてシンブル、どんな状況でも『アキラメナイ』ことである。頑張り続ければいつか道は拓けると言うことだ。


   2013年を諦めなかったFC岐阜にも、2014年に新時代の扉が開かれることを切に願いたい。


   さて、この映画の邦題は『ゼロ・グラビティ』、つまりは無重力の事で、宇宙空間の素晴らしさと同時に、恐ろしさを表現しようとしたタイトルとなっているが、原題は単に『GRAVITY』となっている。

   映画を最後まで観て分かるのだが、デブリが飛び交う宇宙から(ほう)(ほう)うの(てい)で地上に戻ってきた主人公が地球の重力で(しばら)く立ち上がれないシーンが続く。普段、地上で生活している時には気に掛ける事がなかった重力が如何に大切であるかに主眼が置かれているのである。

   こんな所にも、日本人と欧米人の感性の違いを垣間見ることができる。

   是非とも3Dで鑑賞したいものである、音速を遥か超えて、スクリーンの奥から飛び出してくる無数のスペースデブリはとても()ける事ができない!