2014/01/21

『あるサッカークラブの辯明』 ~2014シーズン始動~


   2013年12月25日、FC岐阜の経営基盤を慢性的に圧迫し続け、その存続さえ危ぶまれた多額の負債に対して、地元の大手金融機関と岐阜県出身の個人支援者との調整によって、超過債務解消と返済に向けた道筋が示された。

   また、その事を条件に、クラブ再建と戦力補強の為の資金を安定的に支援する用意があることが、この日の地元財界支援団体との意見交換会で報告される。

   これを受けて会合に出席した従前の地元スポンサー企業は、今後も継続的な支援を行うことで最終調整が図られたと言う。

   これによりFC岐阜はクラブ創設以来、最大の危機のひとつを劇的に脱する見込みとなった。世に云う『クリスマスの合意』である。

   FC岐阜のクラブ史の中では、あの“口論義の奇跡”などと並び称される大きなターニングポイントのひとつとして、永く後世に語り継がれることだろう。

   その『クリスマスの合意』以後、既定路線となっていた新監督人事について、年が明けても中々正式契約のアナウンスがされなかった。ファン、サポーターがヤキモキする中、まずは新契約選手の発表が相次ぎ、そして1月17日クライマックスの川口獲得の発表後、程無くしてオフィシャルサイトにラモス瑠偉氏の名前が登場する。正式契約まで概ね1ヶ月を費やすことになったが、既存契約との日程調整など様々な利害関係があった中で、本契約に至るまでの手続きは極めて困難な作業であったことは想像に難くない。

   何はともあれ1月21日、ラモス監督を中心に、初めての全員集合である。

   あの川口能活#22が、ギフの練習着を纏う。

   三都主アレサンドロ#11、ニット帽にはまだ“g”のロゴがない。

   チアゴ#??、その潜在能力を是非ギフで開花させて貰いたい。ゴール量産に向け期待の一人である。

   今日合流したのだろうか、別メニューでランニングするのは話題のエニクである。恐らくはラモス枠で招聘したブラジリアンだろう。

   ラモス監督が初日から直接始動するのは2013を生き残って救世主となったスティッペである。

   みっちり2時間行われた練習の初日、いわゆる軽いランニングとストレッチだけで終わる訳もなく、宛ら紅白戦を思わせるゲーム形式での激しい練習に終始する。出遅れ気味の2014シーズンが急ピッチでスタートを切った。

   怒涛の練習、終了後のサポーターへのあいさつは、ラモス監督に促されて川口からの一言となる。

   久々の出待ち、今年の1回目はスティッペが笑顔をくれた。


   今シーズンは一気に5段飛ばしで階段を駆け登ったようなFC岐阜、練習環境やスタジアム周りのインフラ整備など不安材料はまだまだ残るが、それを上回る期待のなかでJ2リーグの台風の目として2014シーズンを駆け抜けて貰いたい。


2014/01/02

『ゼロ・グラビティ』 ~バーチャルEVAの恐怖!!~

 

   年末から新年に掛けての正月休みにお薦めの映画、今回紹介するのは『ゼロ・グラビティ』。

   「ハリー・ポッター」シリーズでもメガフォンを取った事のあるアルフォンソ・キュアロン監督の作品で、主演はサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーの両アカデミー賞俳優の競演である。

   他に出演者は無く、地球を見下ろす衛星軌道上での迫真の演技を繰り広げる。実際にNASAのスペースシャトルで宇宙に翔んで撮影したのではないかと見紛(みまご)うばかりの迫力の3D映像で観客を釘付けにする。

   ストーリー展開は少し突飛で、やや強引な所はあるが、この映画の中で起こった事故の切っ掛けは実際に有り得る事だけに、物語にどんどん引き込まれていく。

   ただ、こんな事故が本当に起きてしまったら、通信技術にどっぷり依存している現代社会や、我々の日常生活は30年前に後退する位の大事(おおごと)であり背筋がゾッとする。

   映画の見所は二つ、ひとつは言うまでも無く、主演二人の迫真の演技力、特に二度目に登場した後のジョージ・クルーニーは秀逸である。

   もうひとつは宇宙から見た地球の描写、そのリアルさに目を見張る。今日では実際にISSなどからのハイヴィジョン映像で地球の姿を見る事が出来るようになってきているだけに本物の映像と見分けがつかない程である。

   この映画のテーマは極めてシンブル、どんな状況でも『アキラメナイ』ことである。頑張り続ければいつか道は拓けると言うことだ。


   2013年を諦めなかったFC岐阜にも、2014年に新時代の扉が開かれることを切に願いたい。


   さて、この映画の邦題は『ゼロ・グラビティ』、つまりは無重力の事で、宇宙空間の素晴らしさと同時に、恐ろしさを表現しようとしたタイトルとなっているが、原題は単に『GRAVITY』となっている。

   映画を最後まで観て分かるのだが、デブリが飛び交う宇宙から(ほう)(ほう)うの(てい)で地上に戻ってきた主人公が地球の重力で(しばら)く立ち上がれないシーンが続く。普段、地上で生活している時には気に掛ける事がなかった重力が如何に大切であるかに主眼が置かれているのである。

   こんな所にも、日本人と欧米人の感性の違いを垣間見ることができる。

   是非とも3Dで鑑賞したいものである、音速を遥か超えて、スクリーンの奥から飛び出してくる無数のスペースデブリはとても()ける事ができない!




2013/12/26

ホワイトクリスマス?


   トップページがホワイトクリスマスとなった12月25日、FC岐阜積年の債務超過問題に対し、その解消に向けて明確な道筋が示された。
   大手銀行を始めとする地元政財界からのご支援には大いに感謝しなければならない。この条件クリアをきっかけに、更なる支援が加速し、そしてラモス氏への監督要請に繋がる。

   いよいよFC岐阜を取り巻く環境が劇的に変化する。正しく潮目が変ってきた。2014年のFC岐阜がどんなチーム構成になるか、不安と期待が入り混じっての2013年が暮れていく。ただこれはまだ変革の第一段階であり、恒久的なクラブへ進化する第一歩と捉える必要があるのかもしれない。

   いづれにしても益々楽しみな2014年のFC岐阜、来年も12番目の選手の一人としてギフを追い続けよう。

 



2013/12/14

今年最後の練習見学。 ~El jugador número 12~


   12月13日の「自主練習」を以って、トップチームの2013年の公式日程が全て終了する。

   下の写真は、12月11日の「岐阜県フットボールセンター」での練習風景である。


   ランニング・ストレッチ・パス回しなど、軽めの全体練習はそこそこに切り上げ、各自でグループを作り、それぞれの必要なスキルに対して反復練習を繰り返す。

   既にこの時期には切迫した緊張感も無く、和気あいあいと体を動かす選手達の様子が見て取れた。正しく、このメンバーで過ごす最後の、そして大切な時間が過ぎて行く。


   そして、話題は2014シーズンへ、まずは指揮官の人事から風雲急を告げる情勢になっている。マスコミの報道通りだとすると、かなりエキサイティングな状況だ。

   ラモス氏への監督打診について、10月18日の第一報時点では眉唾物であまり現実味が無かった。ところが今回、ミスター・F氏などのキーパーソンが登場してくることで、俄かに現実味を帯びてくる。

   FC岐阜、浮上の「起爆剤」としては大いに期待できるが、有名人で影響力も大きいだけに、ギフのような体力の無い小さなクラブにとっては「劇薬」でもある。

   処方を誤ると、取り返しの付かない副作用が発生しかねないが、もはや不退転の方策なのだろうとクラブ側の意図が感じ取れる。

   今後の各界からの支援に(すが)る要素が大きく、不透明なだけに、会談が頓挫した時のセカンドプランや、あるいはシーズン中の不測の事態を想定したバックアッププランについても事前に考慮する必要があると思われる。

   ただ、ラモス氏の様なサッカーを畢生(ひっせい)の生業とする識者に監督オファーしていること自体でも、ギフの知名度がグングン上昇中である!

   いずれにしても、ギフにとって必ずしもバッドニュースではないので、とにかく良い方向に展開していくことを願いたい。


   2014.. el jugador número 12 ..
  【2014年も、12番目の選手で行こう!】


2013/12/09

2013年、勝手に統括。


   運命の12月8日決戦を経て、2014年度のJ2リーグ全登録クラブが確定した。

   徳島ヴォルティス悲願のJ1初昇格により、リーグ戦3位だった京都サンガとは、来年も対戦が組まれる。

   そして、ガイナーレ鳥取がJ3に降格することにより、来年も新規クラブがJ2に参戦する。

   『カマタマーレ讃岐』、JFL での公式戦を観戦した事があるが、決して侮れないクラブである。危惧すべきは長崎の再来になることだ。そうなると必然的にギフが一番下になってしまう。

   そんなことも想定しながら来シーズンの選手強化や、何より早期監督招聘が急務である。クラブ側の積極的な組閣活動は最終局面を迎えている頃だろう。


   さて、2013シーズンを振り返ると、数字の上では2012年シーズンと大差ないものとなっている。シーズン後半に入って得点力がややアップするも、それにも増して失点の多さが、年間を通してギフのゲームを終始厳しい展開に陥れた。

   確かに、1シーズンの中での故障者続発は想定の範囲を越えるものだったかもしれないが、そんな時でも一定のレヴェルで戦える選手層の充実がなかったのも事実である。

   夏の移籍期間での補強で、より強固なチームが形作られていくが、毎回思うことと言えば、シーズン前にこのレヴェルのメンバーが揃えられなかったか・・・ 。J 1クラスのストライカーに比肩するスティッペ、バージェらが開幕時に居てくれたらと。

   今年はFC 岐阜を支援する背景が大きく変化したシーズンとなった。逆に言えば、それがJ クラブの(てい)を成して生き残る唯一の選択肢だったのかもしれない。

   「浅中」の成功はギフにとって重要なエポックメーキングであった。これが良き前例となり、定例となって貰いたい。

   行徳浩二前監督の去就、進退については痛恨の極みである。前述した故障者云々は不運な要素であることは否めない。しかし、2年目となるチーム底上げに充分時間を掛けられなかったのは誤算である。

   ただ、辛島啓珠新監督への円滑(?)な受け渡しが奏功し辛うじてJ2残留は果たした。シーズン後半の(さなが)ら新チームによる地味な勝ち点積み上げと、更には鳥取さんの劇的な失速が相まっての結果である。

   こうして、ギフは2年連続、寸での所で下部への降格を免れた。J2リーグ21位でも降格に巻き込まれなかった幸運が何年も続くはずがない。クラブ自体の財政問題も含め、更に待った無しのシーズンは来年も続く。図らずも2014年シーズンにも多くの選手が入れ替わるだろうが、充実した補強により戦えるチーム編成をお願いしたい。

   2014年はいよいよW杯シーズン、その開催期間中はリーグ戦中断となるため、窮屈なスケジュール調整を踏まえつつ開幕を待つことにしよう。J2の全日程が終了した今、(ようや)く「あまロス」が癒えた頃だが、こんどは「ギフロス」の期間が(しばら)く続くことになりそうだ。

   最後に、リーグ最終戦辺りのダイジェスト動画を2本アップして2013シーズンの『FC岐阜観戦記since2005』を締め括ることにしよう。