2012/06/10

『脱出』


   今年も梅雨の走りのシーズン。しばらくは愚図ぐずついた空を眺めながらのFC岐阜ナイトゲームとなりそうだ。

   また、6月からは欧州圏の各サッカーリーグがシーズンオフとなるので、必然的にナショナルチームの国際試合が多くなる。
   アジアでも、「W杯ブラジル2014」の最終予選が集中的に開催され、ヨーロッパでは「UEFA EURO 2012(欧州選手権)」が開幕し、その終了後には「LONDONオリンピック」が控えている。


   一方、超ローカルなJ2リーグ、今節のマッチアップはオレンジカラーの愛媛FC。岐阜は前節アウェイ戦で千葉を撃破し、今日は2年越しの連勝をかけた大事な大事なリーグ戦。
   すこしでも「日本代表」の、あの好調さにあやかりたいところだ。


   そんな中、GKは多田大介#22に戻し、サブには「U-19日本代表」の南アフリカ遠征で結果を残した廣田隆治#29を起用した行徳監督、最後まで走り続ければ自ずと勝点3が近づいてくるとは、千葉戦の教訓である。


   雨も上がって、前半キックオフ。
   攻め込んだ結果、いくつかのコーナーキックのチャンスを得るがまだまだ生かしきれない。それでも、何とか攻撃の形はできてきている。
   後はフィニッシュだけと思っていた所に、前半18分PKの判定。最初は愛媛の赤井秀一#16があまりにもきれいにコケたので、シュミレーションの笛かと思ったくらいである。
   帰宅後にVTRで確認すると、やはり微妙な判定ではあるが、これもサッカーなのでしかたのないところではある。
   いつか岐阜が、別の審判で別のシュチエーションの時に有利な判定で勝つ場面があれば、今日のお返しだ、とそう思うことにしよう。

   その後、膠着状態のまま前半は終了する。


   いつもは後半に失速して、前半に優位であっても勝ち切れなかったFC岐阜であったが、今日の後半の戦いぶりは、愛媛FCの足が止まってきたこともあって、前半を上回るパフォーマンスを見せてくれた。
   この時、初めて前節で勝てた時のイメージを選手全員が共有できたのかもしれない。

   井上平#14のゴール後は久々にスタジアムが揺れた!


   結局、同点のまま終了のホイッスルが鳴る。しかし、これで「岐阜の指定席」と揶揄された最下位の座からは何とか『脱出』できた。
   ただ、降格圏内であることは変わりがない。ひとつでも勝てば確実に順位が上昇するこの時期に、着実に「勝点」を積み上げて行こう。

   薄氷を踏むリザルトは以下の通り。


【次回予告】
   2試合で勝点4を積み上げたFC岐阜、次節は遂にサッカーの聖地「国立競技場」で東京ヴェルディと対戦する。果してサッカーの女神は岐阜に微笑んでくれるだろうか、現地より詳細はリポートをお送りする。

   次回、FC岐阜観戦記since2005+ 『FCギフ、国立に立つ!!』
   FC GIFU 2012season … On the Edge of J2 Battle Fields..


2012/06/02

「長良川鵜飼い」に興ずる


   岐阜市民になって久しいが、他の多くに岐阜市民がそうであるように、本格的に「鵜飼い見物」をしたことがない。岐阜市と言えば「鵜飼い」と「FC岐阜(こちらは希望的観測)」が連想されるほど、他所では有名であるのだから、当の岐阜市民が見たことがないでは示しがつかない。

   そんな中、この度幸運にもその機会に恵まれたので、初めて「長良川鵜飼い」の屋形船に乗ることができた。


   夕刻、長良川左岸の船着き場に集合する。

   岐阜市では、市内の全小学校の児童に「鵜飼い」を見学させているようで、この日も某小学校の団体が訪れていた。


   宮内庁式部職である鵜匠の方の説明もそこそこに屋形船に乗り込む。


   今日の観覧船「長良丸」の船頭さんは女性の方で、しかも立ち姿がちょっとカッコイイ。


   この角度からみる「鵜飼い大橋」、言われてみれば、吊り橋のロープは、鵜匠が「鵜」を操る紐のようである。


   御上りさんよろしくブログの定番である、料理の写真がこちら。


   そして、いい頃会いに日が暮れた午後7:30、3発の花火を合図に「鵜飼い」が始まる。またこの合図のによって、河畔のホテルや旅館はネオンや照明を消す、申し合わせができていると言う。

   長良川競技場でのFC岐阜ナイトゲームで、この時間帯にいつも花火が上がっていたのは、これだったのだと改めて気が付く。

   「篝火」の明るさだけで動きのある被写体を撮影するには、まだカメラの性能を充分発揮できる技術がないので、きれいは写真は残せなかった。


   それでも、屋形船と並走して行われる鵜飼漁は、篝火の松明の熱を伝わるほどに間近で見させていただいた。




   その後、「総がらみ」と呼ばれる6隻の鵜舟が鮎を浅瀬に追い込み、鵜飼いはクライマックスを迎える。

   そして、午後8:30頃には貸切船「長良丸」は船着き場へと帰ってくる。

   先人が詠んだように、始めは大変面白かった鵜飼い見物も、岸にたどり着く頃には少し物悲しい気分になる、そんな情緒のあるひと時を過ごすことができた。

   これからは、他所よそで「長良川の鵜飼い」について説明を求められたとしても、堂々とPRすることができよう。




2012/05/28

いまできる最善のこと


   気候だけを言えば、絶好のサッカー日和。昼間の暑さが少し和らぎ、肌寒いとまではいかない涼しい風の吹き抜けるくらいが、ピッチに立つ選手達には調度いい。

   FC岐阜のナイトゲーム、今節のマッチアップはヴァンフォーレ甲府。実力ではJ1にいるべきチーム、侮れないのは言うまでもない。


   ただ、ピッチ以外での話題が取り沙汰される、こんなタイミングだからこそ、絶対に負けられないゲームである。何とか勝点を祈らざるを得ない。


   もう耐えかねてFC岐阜から離れるサポーター、

   好きだからこそFC岐阜を批判するサポーター、

   ただひらすらにFC岐阜を応援するサポーター、


   今、あなたはどこにいますか?



   なりふりを構っていられない状況に追い込まれているFC岐阜の首脳陣、今西社長の掲げる支援募金にとりあえずポケットを探る。手を握って、「…なんとか、FC岐阜をお願いします…」今はそれ以上の言葉が見つからない…。

   既に「戦略」を論じる時ではなく、「戦術」を見定めなければならない時期に来ていると思うのだが。


   サポーター仲間の熱い「エール」はスタジアムの全てに届いた。「14」は彼が『FC岐阜公式ファンクラブ』の14番目の会員であることを意味している。


   しかし、現実にはFC岐阜はヴァンフォーレ甲府を凌駕できるほどの「チカラ」も「技」も持たない。
   勝ちたいと言う「魂」だけではもちろん勝てないのだが、今その「魂」までもが問われてしまっている。そう、自分たちで点を取らなければ、誰も取ってはくれない。




   終わってみれば、あまりにも順当なリザルトは、以下の通り。

   FC岐阜と取り巻く環境は、風雲急を告げる。だが今夜詰めかけた六千余の人々は、FC岐阜が今年で見納めだから集まった訳ではない!


   今節のYouTube動画は、ゴールに迫るFC岐阜イレブン。本当はホームでのゴールシーンをupしたいのだが、いつまでも待っていられない。
   先ごろFIFAは雌雄を決するPK戦のルールを「Task Force Football 2014」の中で再検証する考えを示唆したが、おしいシュートが何本あっても、合わせて「1点」にするルール改正は今のところ無いようである。




   前号に引き続き、第2回の「宇都宮徹壱氏のコラム」はこちら


2012/05/21

The Solar Eclipse 2012


   思いのほか好天に恵まれた岐阜市内某所の朝。

   遮光レンズのゆらぎの中、午前7時31分「太陽のリング」は見事に繋る…。 
 

   今回の日食は、見掛け上の太陽の大きさより、月の大きさの方が小さい為、太陽が完全に隠される、いわゆる『皆既日食』では無く、リング状に太陽の輪郭が残る、『金環日食』である。

   日食としては、『皆既日食』の方が気象条件など、劇的に変化するので、よりドラマティックで見応えがあるのだが、『金環日食』はそのリングが殊更に強調される。
   言うまでもなく、これは月が楕円軌道を描く為に生じる違いであり、「時」と「場合」によって異なる。

   実は、月は1年間に4センチづつ地球から遠ざかっていると言われている。と言うことは、今から5万年後は『皆既日食』は観測できないかもしれないし、或いは5万年前には『金環日食』は見えなかったかもしれない。
   つまり、私達はその両方が観測できる、極めて稀有な時代に生きていることを感謝しなければならないのである。


   そんな悠久の時の流れに想いを馳せていると、繋がれたリングは程なく解放された。こうして食の最大時には、いつもより柔かな陽光が降り注ぐ、穏やかな朝となった。 


そして次の関心事は、8月14日の「金星食」へと移ってゆく。


2012/05/18

宇都宮徹壱氏のコラムへ


   5月13日の松本山雅FCとの観戦記を残さないまま、既に5日が過ぎてしまった。

   あれこれ逡巡しゅんじゅんしているうちに、スポーツナビに掲載された宇都宮徹壱氏のコラムを見つけたので、今回はそれに代えさせていただこう。

   そもそも私の観戦記の文体は氏のコラムをオマージュしていると言わざるを得ないので、今回は「禁じ手」で失礼する。
   ここに少なからず自分の言いたい事も垣間見えるので、今後このシリーズをチェックしていきたいと思う。

   尚、忘れかけた松本戦のリザルトは以下の通り。

FC岐阜 J2-14 松本
0 0 前半 1 1
0 後半 0