ラモス監督契約解除の衝撃的なニュースから3日が経過し、ギフはアウェイ札幌戦に挑む。
その動揺を抑え切れないイレヴンではあったが、首位の札幌に対峙しても臆する事なく冷静にゲームを進める。急場の吉田戦術は徹底的に守備を固め、まずはアウェイでの勝点1から狙いに行くのだろう。
果たしてその結果は惨憺(さんたん)たるものだった。この短い期間にチームが劇的に変わることなど望むべくもないが、徐々に吉田新監督のスタイルを浸透させ、まずは最低限の目標となるJ2残留を果たしていただきたい。
さて、ラモス監督の二年半はまさに劇場型のシーズンの連続であった。その話題性は、瞬く間にギフを全国区に押し上げ、監督就任の初年度は華々しいデヴューを飾った。
後のJ1ライセンス取得やクラブハウス建設の道筋は全てここから始まった。ラモス監督最大の功績と言えよう。しかしまた、そのカリスマ性やタレント性が諸刃の剱となりFC 岐阜の監督としてサッカーに専念する環境を充分に確保できなかった事も否定できない。
例えいかなる名将と言えども、J 2リーグをフルシーズン戦い抜くには応分の覚悟が必要なのだろう。そう言う意味では、ギフは『ラモス瑠偉』と言うキャラクターをうまく扱いきる事ができなかったのかもしれない。
つまりはFC岐阜の監督に就任した時点で、既にラモスブランドは一地方の監督に収めて置く事ができない程、複雑で巨大なものになっていた事が、ギフにとって不幸だったのかもしれない。
ただ、ラモスさんがギフを選んでいただいた事については心から感謝したい。紆余曲折があったとは言え、ラモスサッカーがギフにもたらした恩恵は計り知れない。色々な意味でサッカークラブとしてのFC岐阜のランクアップに貢献した事は誰もが認める所だろう。こんな形で岐阜を去る事になるとは、いかにも無念でたまらない。FC 岐阜の単なる歴史の1ページに埋没してしまいそうで残念だ。
良きに付け悪しきに付け、そんな『ラモスの呪縛』から解き放たれたギフは吉田恵新監督の下、J2残留に向けて、現実路線での改革が急務となる。今ある戦力でいかに効率的に勝点を積み上げられるか吉田監督の手腕が問われる所だ。残された時間は決して多くないが、J1の修羅場を戦い抜いた氏の経験と実績を生かして、傾きかけた悪い状況からの着実な巻き返しに期待したい。
嵐の後、これからもまた、純粋にFC 岐阜のサッカーを追い続けて行こうと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿