2025年12月21日。
Jリーグのシーズンが全て終わり、静けさを取り戻しかけた長良川競技場に、もう一度だけ灯りがともりました。
柏木陽介、引退試合。
FC岐阜の選手としてピッチに立った時間は決して長くはありませんでした。
それでも、このクラブの歴史を語るとき、彼の名前は確かに「ギフのページ」に刻まれていきます。
寒さが募る冬の長良川競技場、けれどこの日は寒さよりも不思議な温度がスタンドを包んでいました。
赤でも紫でも緑でもない、浦和や広島の記憶を持つ人も、ギフのサポーターも、ただ『柏木陽介』という一人のフットボーラーを見送るために集まった人たちの熱量によるものです。
試合前、子雨が降り続くピッチに立つ柏木陽介#42の表情は、いつも通り少し照れくさそうで、それでいてどこか肩の力が抜けているようてした。
「今日が最後のゲーム」
その事実を、本人が一番静かに受け止めているようにも見えました。
『柏木陽介』という選手、それは、魔法のようなパス。一瞬で局面を変える判断。そして、感情を隠さない言葉。
天才と呼ばれ、誤解も受けながらも、それでも最後まで「自分のサッカー」を曲げなかった選手。
ギフに来たとき、正直に言えば賛否はありました。年齢、コンディション、期待値。それでも彼は若い選手に声をかけ、ピッチの内外でこのクラブに「プロとは何か」を残してくれたと思います。
派手なゴールより目立たないワンタッチ、その一つひとつが、確かに“柏木陽介の時間”だったのです。
引退試合というより「式典」だったこの日の90分(レギュレーションは80分)は、勝ち負けを競う試合というよりも、一人のサッカー選手のキャリアをなぞるための時間だったのでしょう。
かつての仲間たちと懐かしい背番号。
少しだけ衰えた動きと、それでも変わらない視野の広さ。スタンドから送られた拍手は、歓声というより「ありがとう」に近かったのかもしれません。
長良川競技場でこういう拍手を聞く日が来るとは正直思っていませんでした。
柏木陽介というサッカー選手の引退試合が、国立でもなく、埼スタでもなく、この長良川競技場だったことが少しだけ誇らしく思います。
この場所で見送れたことは、FC岐阜というクラブが歩んできた時間への、小さなご褒美のようにも感じました。
岐阜でこのレベルのイベントが成功裡に開催されたことは、ギフのサッカー界隈にとっては大きなエポックメイキングとなるでしょう!
でも今日だけは、順位表も、勝点も忘れて、柏木陽介というフットボーラーが、確かにここに立ち、サッカー人生に幕を下ろした姿を心に刻もう。
涙雨が降る長良川の空の下で。
ありがとう!柏木陽介!!
| 柏木陽介引退試合 |
| レジェンド登壇 |
| GIFU#42 |
| 長良川に集結 |
| KASHIWAGI FRIENDS |
| KASHIWAGI GENERATIONS |
| ピカチュウ |
| 後半開始 |
| 柏木 ラストゴール! |
| “15557” |
| FAINAL RESULTS |
| ラモス カリオカ |
| 柏木陽介#42 |
| 胴上げ |
| ありがとう!柏木陽介‼ |
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